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【原 著】
インフルエンザウイルス肺炎を契機として発症した周産期心筋症の1例
松原 正和, 北 直子, 金井 誠, 加藤 清, 芦田 敬, 高津 亜希子, 高橋 済1), 内川 慎一郎1), 小西 郁生
信州大学産科婦人科学教室
周産期心筋症は,明らかな心疾患の既往のない女性が妊娠後期または産褥期に心不全を呈する症候群であり,拡張型心筋症に類似した病態を示す.今回,我々が経験した症例は,妊娠36週より妊娠中毒症がみられ,妊娠38週にインフルエンザウイルス肺炎を契機として心不全を発症した.呼吸困難が出現し,胸部X線にて心拡大が著明であったため,心エコーを施行したところ著明な心機能低下が認められた.周産期心筋症と診断し,まず心不全に対する治療を先行させることにより,母児ともに救命することができた.周産期心筋症の診断と管理について,文献的考察を加えて報告する.
Key words:peripartum cardiomyopathy, pregnancy, influenza pneumonia
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(1)
11-18, 2002
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