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【原 著】
神奈川県における多胎分娩の実態調査
山中 美智子1), 高橋 恒男1), 佐藤 啓治1), 中野 眞佐男2), 住吉 好雄2)
1)神奈川県周産期協議会調査研究部会 2)神奈川県産科婦人科医会異常分娩先天異常対策部
県内における多胎分娩の実態を調査した.神奈川県産科婦人科医会に所属する施設にアンケート用紙を配布し,各施設における多胎妊娠の管理方針を調査すると共に平成10年(1998年)4月1日〜平成11年(1999年)3月31日に各施設で分娩に至った多胎妊娠について解析した.多胎妊娠の取り扱い方針についての調査では,妊婦健診のみで分娩を取り扱わない施設の59%,分娩を取り扱う施設でも27%が「多胎とわかった時点で高次施設に送る」としている一方で,分娩を取り扱わない施設でも11%が「何かリスクが出てきた時点で高次施設に送る」としていた.多胎の管理に関して,25%が予防的入院を,14%で予防的頚管縫縮術を,32%で予防的子宮収縮抑制剤投与を行っていた.各施設で分娩に至った多胎388例中,双胎は374例,品胎は14例であった.双胎の28%,品胎の86%で不妊治療がなされていた.双胎の50%,品胎の93%が36週未満の早産であり,双胎の73%,品胎の95%が2,500 g未満の低出生体重児で,双胎児の出生児体重は2,155±580 g(mean±SD),品胎児は1,695±531 gであった.双胎児の40%,品胎児の73%がNICU入院を要した.双胎の78%,品胎では100%が総合病院で分娩していたのに対し,双胎の8%は有床診療所で分娩していた.
Key words:multiple pregnancy, epidemiology
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(1)
19-24, 2002
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