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【原 著】
卵巣腫瘍と鑑別が困難であった非婦人科系腫瘍の3例
今井 公俊, 姜 賢淑, 依藤 弘志, 甲田 平吾
静岡市立静岡病院産婦人科
術前診断卵巣腫瘍で開腹した所,非婦人科系の腫瘍と判明した3例を経験した.症例1は54歳,消化器科で下腹部腫瘤を指摘され当科を紹介受診,骨盤MRI上長径17cmの下腹部腫瘍を認めた.卵巣腫瘍の術前診断で開腹したところ,回腸腸間膜由来のgastrointestinal stromal tumorと判明した.症例2は66歳,循環器科で腹部腫瘤を発見され当科を紹介受診,卵巣腫瘍の診断で手術予定であったが敗血症を呈したため,緊急手術をしたところ,小腸由来の平滑筋肉腫と判明した.症例3は37歳,某泌尿器科で卵巣腫瘍を指摘され当科を紹介受診,開腹した所,後腹膜腔に発生したangiosarcomaと判明した. 卵巣は腹腔内臓器であり,子宮頚部,体部腫瘍と異なり術前に生検が出来ない為,現段階の画像診断や腫瘍マーカーに依る術前診断には限界があり,開腹して腫瘍が卵巣由来であると確定する事が必須であると考えられた.
Key words:Ovarian tumor, Differential Diagnosis
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(4)
369-373, 2002
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