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【原 著】
術前に診断し得た子宮動静脈奇形の1例
国東 志郎, 三沢 昭彦, 上田 和, 林 博, 斎藤 絵美, 和田 誠司, 高梨 裕子, 小林 重光, 神谷 直樹, 安田 允, 田中 忠夫
慈恵医大柏病院産婦人科
月経終了直前の突然の多量性器出血にて発症し,経膣超音波所見から血管異常を疑い,術前に子宮動静脈奇形と診断し得た症例を経験した.症例は38歳女性,月経開始から5日目に急激に増加する性器出血が突然出現した.その後も月経毎に同様の症状を繰り返し,貧血が急激に増悪した.経膣超音波にて子宮筋層内に1cm程のecho free spaceを認めたため,血管異常を疑った.MRIにて子宮筋層内に異常血管の集積を,カラードプラ法にて子宮筋層内にモザイク状の拍動性血流を認めた.MR angiographyにて右子宮動脈血流の貯留を認め,血管造影にて病変部への血流は右子宮動脈からで,他の動脈からの血流がないことが確認された.子宮動静脈奇形の診断にて,治療は動脈塞栓術も検討されたが,妊娠の希望がなかったため,腹式単純子宮全摘術が施行された.
Key words:Uterine anteriovenous malformation, Color Doppler, MR angiography, Transvaginal echo
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(1)
3-6, 2003
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