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【原 著】
1児が無脳児であり,体重不均衡がみられた1絨毛膜1羊膜性双胎の1例
深谷 暁, 木下 俊彦, 川島 秀明, 高島 明子, 横山 安哉美, 矢野 ともね, 大高 究, 伊藤 元博
東邦大学医学部付属佐倉病院産科婦人科講座
1児が無脳児であった一絨毛膜一羊膜性双胎を経験した. 症例は30歳で3経妊3経産.妊娠16週で双胎妊娠,1児が無脳児の疑いにて近医より紹介され当科を受診した.超音波検査にて一絨毛膜一羊膜性双胎,1児が無脳児と診断した.十分なインフオームド・コンセントのもと妊娠継続を行った.妊娠22週頃より羊水過多を認めたため,羊水除去術(1,500ml穿刺)を施行した.羊水検査では染色体異常は認めなかった.その後羊水過多は認めず,経過観察したところ妊娠34週に正常児にvariable decelerationが頻発したため腹式帝王切開術を施行した.正常児は体重2,062g,アプガールスコア5点(1分後)であったが,その後の経過は順調であった.無脳児の体重は1,540gであった.両児の臍帯間には複雑な巻絡を認め,共に単一臍帯動脈を呈していた.
Key words:Anencephaly, Monoamniotic, Twins
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(1)
7-10, 2003
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