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【原 著】
子宮筋腫核出術後に発生したDisseminated Peritoneal Leiomyomatosisの1例
大久保 和俊, 澤田 真紀, 岡村 栄子, 藤川 浩, 齋藤 裕, 野嶽 幸正
昭和大学藤が丘病院産婦人科
腹膜播種性平滑筋腫症(Disseminated Peritoneal Leiomyomatosis;DPL)は二次性ミュラー管由来の細胞が性ステロイドの影響により腫瘍化する稀な疾患であり,若年女性で,ことに妊婦での発症が多いとされている.今回我々は子宮筋腫核出術後9年を経た後に他医にて子宮筋腫の再発と診断され,GnRHa療法を行った後に当院にて開腹術を行った結果,DPLと診断された症例を経験した.本症例では開腹時に腹腔内及び後腹膜腔に多発性の腫瘤形成を認めたため,平滑筋肉腫あるいはDPLを疑い,摘出腫瘤の術中迅速病理組織診断を行ったところ,診断結果が平滑筋腫であったためDPLと診断した.術前のGnRHa療法が効果を示していたことより,性ステロイドの影響を考慮し両側卵巣の摘出を行った.術後腫瘍組織の免疫染色にてER, PRとも90%に陽性を示し,本症例における性ステロイドの関与が強く示唆された.
Key words:Disseminated Peritoneal Leiomyomatosis(DPL), GnRHa
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(1)
45-49, 2003
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