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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
妊娠合併症(呼吸器疾患・その他)
痛風腎合併妊娠の一例


高橋 千絵, 相良 武士, 中井 弘美, 福嶺 紀隆, 野平 知良, 岡部 一裕
東京医科大学八王子医療センター産婦人科


 痛風腎を呈する疾患の中でも,家族性遺伝性高尿酸血症は比較的若年より症状が発現するため,生殖年齢女性の出産ヘの影響は大きい.今回我々は,家族性遺伝性高尿酸血症による痛風腎から慢性腎不全に至り,高度の腎機能障害を有していた症例の妊娠,分娩を経験したので報告する.症例は30歳,0経妊0経産.父親と姉が痛風腎による慢性腎不全にて透析中である.22歳頃より母趾の関節痛,股関節痛認められ,近医にて高尿酸血症,腎機能障害指摘される.その後内服薬にて外来通院中,妊娠との診断を受け当院紹介受診.初診時の尿酸値8.2mg/dl,BUN27mg/dl,Cr2.5mg/dlであり,Ccrは34.0ml/minであった.腎機能障害による妊娠へのリスク,妊娠による母体腎機能へのリスクを十分に説明,本人,家族との十分なインフォームドコンセントの上妊娠継続することとなった.妊娠中,腎機能は緩徐に悪化し,妊娠39週でBUN29.9mg/dl,Cr4.3mg/dlまで上昇したが,母体の妊娠中毒症症状等は認められず,胎児は順調に発育し,妊娠39週5日,3010gの男児をApgar Score9点にて経膣分娩した.しかし産褥2日目のCcrは12.6mg/dl,BUN47.1mg/dl,Cr4.7mg/dlと母体腎機能はさらに悪化していた.その後約2年が経過したが,BUN,Crはほぼ出産直後の値を保っている.症例の臨床経過と共に,文献的考察を含めて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 229-229, 2002


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