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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))

【一般演題】
妊娠合併症(呼吸器疾患・その他)
Chiari奇形合併妊娠の1例


近内 勝幸, 三原 卓志, 加藤 有紀, 佐治 正彦, 高安 義弘
神奈川県立足柄上病院産婦人科


【緒言】Chiari奇形は後頭蓋窩に存在する組織が下方に偏位し,大孔を通じて脊椎管内へ嵌入した先天奇形である.水頭症,脊髄空洞症などを合併し下位脳神経症状,四肢麻痺などをきたす事がある.今回Chiari奇形I型合併妊娠症例を経験したので報告する.【症例】29才0経妊0経産.27才時にChiari奇形I型と診断された.小脳扁桃ヘルニア及び脊髄空洞症(C1〜Th3)を合併しており,右胸部(Th4)より下部の知覚麻痺と軽度歩行障害があるものの,日常生活上問題がなく症状の進行もみられず,今まで外科的な治療はされていない.妊娠初期より当院で管理.妊娠期間中を通して神経症状の悪化はみられなかった.妊娠38週に全身麻酔下に選択的帝王切開術を施行した.【考察】Chiari奇形はI〜IV型に分類される.実際に我々が遭遇するのは,成人発症が多く比較的症状が軽度なI型と思われる.I型は小脳扁桃が下方偏位し,脊髄空洞症を合併する事が多い.そのため頭痛や感覚障害が特徴である.妊娠に関連した報告は極めて少ないが,頭蓋内圧や脊椎管内圧の亢進による神経症状の悪化を防ぐため,分娩様式としては全身麻酔あるいは硬膜外麻酔下での選択的帝王切開がなされていた.【結語】Chiari奇形I型合併妊娠症例を経験した.頭蓋内圧亢進を避け分娩様式は全身麻酔下に選択的帝王切開術とした.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3) 230-230, 2002


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