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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
栄養・代謝 妊娠判明時体重100kg以上の妊婦における周産期予後の検討
加来 建志1), 長田 久夫1), 飯塚 美徳1), 増田 健太郎1), 坂本 理恵1), 関谷 宗英2)
千葉大学附属病院産婦人科1), 千葉大学大学院医学研究院生殖機能病態学2)
2000年4月から2002年3月までの2年間における当科での総分娩791例中,妊娠判明時に既に体重が100kg以上であった妊婦6例(0.76%)について検討した.4例(66.7%)が他院よりの紹介で,3例(50%)が不妊治療後であった.妊娠判明時の体重は101−129kg(BMI39−52),分娩時の体重は92−126kg(BMI37−52)とむしろ減少傾向を示した.妊娠中の合併症としては,双胎および切迫早産が1例,妊娠糖尿病が2例,甲状腺機能低下症が1例,慢性高血圧が1例,気管支喘息が1例,HBキャリアが1例であった.分娩様式は,3例(50%)が選択的帝王切開であったが,適応は肥満ではなく,既往帝王切開2例,骨盤位1例であった.経腟分娩3例中2例は誘発分娩であった.また,産褥期の母体異常は認められなかった.新生児に関しては,3500g以上の児は2例で,NICU管理を必要とした児は認めなかった.以上より,妊娠判明時100kg以上の妊婦は,不妊治療後の貴重児,あるいは合併症を有する頻度が高いが,ハイリスク妊娠として厳重に管理することによって,母児とも良好な予後を期待できることが示唆された.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
233-233, 2002
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