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第104回学術集会(平成14年10月19日(土),20日(日))
【一般演題】
妊娠・その他 塩酸リトドリン投与によりStevens-Johnson症候群を来した1例
菅原 智香1), 鈴木 理絵2), 春木 篤1), 遠藤 方哉2), 安藤 紀子1), 高橋 恒男1), 平原 史樹2)
横浜市立大学附属市民総合医療センター母子医療センター1), 横浜市立大学産婦人科2)
切迫早産の治療薬としての塩酸リトドリン投与の際にStevens-Johnson症候群;皮膚粘膜眼症候群を来した症例を経験したので報告する.症例;29歳,0G0P,hMG-hCG使用にて妊娠.妊娠初期に出血を来たし,切迫流産として前医にて通院加療.また,妊娠23週2日頚管ポリープによる出血のため,ポリープ切除術施行される.妊娠29週2日下腹部痛,および不正性器出血にて切迫早産の診断のもと入院.子宮口も1指開大したため,塩酸リトドリンを持続点滴静注にて投与されていた.妊娠32週頃より塩酸リトドリンは5%ブドウ糖500mlにウテメリンTM4A 30ml/h(200γ)にて投与されていた.妊娠35週4日より,毛嚢に一致して赤色発疹を認めるようになり,四肢から全身性に膨隆した丘疹がみられて増悪傾向あり,妊娠36週0日に前医より軽度の肝機能障害と皮疹,切迫早産として産科救急母体搬送となった.入院時,赤色の発疹は全身性に及び,球結膜,口腔内,膣内に赤色の膨疹を認めた.切迫症状と所見は軽度であった.直ちに塩酸リトドリン投与を中止し,肝庇護剤投与併行しながら加療.皮膚科的にもStevens-Johnson症候群と診断され,原因は塩酸リトドリンが推定された.本症例は患者の同意を得たうえ報告するとともに,現在パッチテストにてその原因を確定すべく検索中である.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 39(3)
234-234, 2002
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