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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
子宮体部悪性腫瘍/肉腫 子宮頚癌の術前診断で開腹手術した卵管Carcinosarcomaの一例
山道 玄, 森田 加奈子, 平嶋 泰之, 山田 義治
静岡県立静岡がんセンター産婦人科
原発性卵管癌は婦人科悪性腫瘍の0.3―0.4%を占め,比較的稀な疾患で早期診断は非常に困難である.とりわけ卵管原発癌肉腫は稀である.今回我々は,子宮頚部扁平上皮癌の術前診断で開腹した,子宮頚部転移を伴う卵管癌肉腫症例を経験したので報告する.症例は56歳,3経妊3経産.平成14年8月に帯下,少量の性器出血があり,近医で頚部細胞診を施行したが異常を認めなかった.その後出血量が増加し平成15年11月18日に前医を受診し,頚部細胞診classV,内膜細胞診classV(頸管由来)で,頚管内掻爬の組織診で低分化型扁平上皮癌と診断され当科を紹介された.腫瘍マーカーはCEA:14.9 CA19-9:62.2 CA125:43 SCC:0.7であった.画像診断にて2cm強の子宮頚部腫瘍,右卵巣腫瘍と思われる10cm大の不整形の腫瘤を認めた.子宮頚癌Ib1期の術前診断で12月25日開腹手術を施した.右卵管はソーセージ様に腫大し,大網に1.5cm大の播腫巣が数個あり,これら組織の迅速病理検査では子宮頚部の生検組織と一致すると診断された.広汎子宮全摘術を予定していたが術中診断で子宮頚癌IVb期と考え,単純子宮全摘術,両側附属器切除,大網切除を施行した.術後病理検査では右卵管癌肉腫,子宮頚部転移・大網播種の診断であった.術後化学療法としてIfosfamide+CDDPを4コース施行し,現在再発徴候は認められない.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
246-246, 2004
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