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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
転移性卵巣腫瘍/他
扁平上皮癌が大部分を占めた卵巣原発腺扁平上皮癌の一例


矢作 美奈子1), 大原 樹1), 渡部 真梨1), 井埜 まり絵1), 近藤 春裕1), 大熊 克彰1), 水原 浩1), 飯田 智博1), 木口 一成1), 石塚 文平1), 高木 正之2), 田所 衛2)
聖マリアンナ医科大学産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学病理2)


 【はじめに】卵巣原発の純粋な扁平上皮癌は極めて稀であるが,今回我々は術中迅速病理にて扁平上皮癌と診断され,術後永久標本にて腺扁平上皮癌と診断された1例を経験したので報告する.【症例】53歳2経任2経産.既往歴;20歳虫垂炎.家族歴;特記すべきことなし.現病歴;平成16年2月ごろより下腹部感あり近医内科受診,卵巣腫瘍疑いにて3月12日当院受診となった.初診時所見;腹部に臍下まで認める腫留を触知し,超音波上15.9×11.1×87cmのcystic massで一部solid part認めた.腫瘍マーカーは,SCC 3.2,CA19-9 85と軽度上昇を示していた.手術所見(5月14日);子宮全摘術,両側付属器切除,大網切除術施行.単房性の左卵巣腫瘍で重量は1400g,内容物のほとんどが漿液性で内部に乳頭状の増殖性病変が多発していた.右卵巣に異常を認めず子宮に腺筋症を認めた.腫瘍の病理組織像は扁平上皮癌が大部分を占め,一部に類内膜腺癌を認めた.また進行期分類はIa期とした.術後経過;現在のところ良好で,SCC 0.9,CA19-9 24と低下し5月26日退院され外来経過観察中である.【考察】腺扁平上皮癌は卵巣に発生する扁平上皮癌の頻度は充実性奇形腫の悪性転化が多いが,その他brenner腫瘍,粘液性腫瘍等あり,また類内膜腺癌が扁平上皮へ分化を示すものがある.本症例は,一部であるが類内膜腺癌を認め,その移行部とも考えられる組織像も認めることより類内膜腺扁平上皮癌と診断した.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 247-247, 2004


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