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【原 著】
胎児頸部奇形腫の出生前管理


鈴木 俊治, 峯 克也, 渡辺 昇一, 林 瑞成, 澤 倫太郎, 米山 芳雄, 朝倉 啓文, 荒木 勤
日本医科大学産婦人科


 定期的に超音波やMRI検査をおこなうことによって妊娠37週まで子宮内管理をおこなった胎児頸部奇形腫を経験したので報告する.妊娠29週以降,(1)腫瘍径の変化,(2)食道や気管への圧排所見の有無,(3)羊水量,(4)胎児呼吸様運動にあわせた気管や口周囲でのカラーフローマッピングをチェック項目にあげ,1回/週の検診をおこない,(2)〜(4)において異常を認めなかった.妊娠37週4日に胎児骨盤不均衡を適応として腹式帝王切開術を施行.子宮下部横切開で娩出した児は母体の腹壁上にて呼吸が安定していることを確認し,それから臍帯の結紮をおこなった.新生児は女児,出生体重3,264g(heavy for dates),アプガースコアー9点(1分後),10点(5分後)で,呼吸障害を認めず,出生24日に腫瘍摘出術を施行した.摘出された腫瘍は7.0cm×5.5cm×4.0cmで128g.病理組織所見で成熟奇形腫と診断した.

Key words:Prenatal management, Fetal neck teratoma, Airway obstraction

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 37(4) 403-406, 2000


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