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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1
術前の腫瘍マーカーCA546の値は卵巣漿液性腺癌の予後を推定する因子となりうる


辻 紘子, 青木 大輔, 野村 弘行, 鈴木 直, 富田 明代, 平尾 健, 江澤 佐知子, 玉田 裕, 鈴木 淳, 進 伸幸, 吉村 泰典, 野澤 志朗
慶応義塾大学産婦人科


 【目的】腫瘍マーカーCA546は肺大細胞癌由来培養細胞を免疫原として作成された2つのモノクローナル抗体によって測定される抗原であり,ムチン型糖鎖を基本構造とした母核糖鎖関連腫瘍マーカーである.今回我々は卵巣漿液性腺癌における術前CA546値と予後に影響を与える臨床病理学的因子との関連を解析し,術前CA546値が予後を推定する因子となりうるか検討を行った.【方法】1993〜2003年に当科にて術前にCA546を測定し初回手術を施行した卵巣漿液性腺癌72例を対象に,年齢,組織型,pTNM分類,臨床進行期,腹腔細胞診,腹水の有無,手術完遂度などの項目について単変量・多変量解析を用いて術前CA546値と漿液性腺癌の予後に関連する臨床病理学的因子の解析を行った.また術前CA546値と無増悪期間中央値と5年生存率の差の検討も行った.CA546のカットオフ値は12U/mlとし,12U/ml以下の症例は15例,12U/mlを超える症例は57例であった.【成績】術前CA546値が12U/mlを超える症例の無増悪期間中央値は508日,5年生存率は23.3%で,一方12U/ml以下の症例ではそれぞれ1100日,70.7%でありいずれも有意差が認められた.単変量解析にて術前CA546値と関連を認めた因子は腹腔細胞診所見,pM,臨床進行期であった.予後との関連で有意差を認めたものは術前CA546値,手術完遂度,腹腔細胞診所見,pT,pM,臨床進行期であった.多変量解析の結果では術前CA546値,手術完遂度,pMが予後に影響を与える独立した因子であった.【結論】本研究の結果,卵巣漿液性腺癌において術前のCA546値がカットオフ値を超える症例は有意に予後不良となり,術前CA546値は予後を推定する上で独立した因子となることが明らかとなった.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 249-249, 2004


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