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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1
悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症の考察―PTHrPの上昇した卵巣明細胞癌の症例から


細川 有美, 岡江 美希, 山口 俊一, 廣田 泰, 根井 朝美, 中川 俊介, 八杉 利治, 久具 宏司, 矢野 哲, 上妻 志郎, 武谷 雄二
東京大学附属病院産婦人科


 【背景】MAH(malignancy associated hypercalcemia)の頻度は全悪性腫瘍の5―10%で,多くは進行例にみられる.腫瘍細胞から分泌される液性因子が原因のHHM(humoral hypercalcemia of malignancy)と,癌の骨転移や骨浸潤によるLOH(local osteolytic hypercalcemia)に大別され,HHMを起こす主たる物質はPTHrP(PTH-related peptide)である.HHMをきたす主な組織型は扁平上皮癌,小細胞癌とされているが,今回われわれは高カルシウム血症による多彩な症状を呈したIa期の卵巣明細胞腺癌の症例を経験したので報告する.【症例】32歳未妊女性.2ヶ月間の強度の嘔気に続いて体重減少,傾眠傾向,味覚障害,弛張熱も出現したため内科を受診した.血清Ca:15.3mg/dlと高値で,PTHrPは5.7pmol/l(正常値:0―1.1)と上昇,PTHは5pg/ml(正常値:10―65)と低下しており,PTHrP産生腫瘍と考えられた.CA125:210U/ml,CA19-9:105U/mlと高値で,画像診断で卵巣癌を疑わせる成人頭大の下腹部腫瘤を認めたため,当科へ紹介された.妊孕性温存の希望が強いため,右付属器切除+左卵巣嚢胞摘出+大網生検術を施行した.Ia期であったが,明細胞腺癌で脈管・リンパ管侵襲も認められるため,あらためて,腹式単純子宮全摘+左付属器切除+骨盤・傍大動脈リンパ節廓清+大網部分切除術を施行し,TJ療法を4コース追加した.初回手術以降,PTHrPは正常化し,血清Caの上昇もみられず,現在再発を疑わせる所見はない.【結語】HHMをきたした卵巣明細胞腺癌の報告は検索した限りで17例あったが,Ia期症例の報告は本症例が初めてである.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 250-250, 2004


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