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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))

【一般演題】
卵巣悪性腫瘍1
卵巣明細胞癌の肝転移に対するラジオ波焼灼療法(RFA)による治療経験


加藤 雅史, 福井 詩子, 高野 政志, 工藤 一弥, 喜多 恒和, 戸出 健彦, 菊池 義公
防衛医科大学校産婦人科


 ラジオ波焼灼療法(RFA)は,病変に挿入した電極の周囲をラジオ波により誘電加熱し,腫瘍を壊死させる治療法であり,以前より肝細胞癌の治療に用いられ,転移性肝癌の治療の報告もある.今回,化学療法に抵抗性の卵巣明細胞癌肝転移巣に対して,RFAによる治療を経験したので報告する.症例:64歳,2経妊2経産.卵巣明細胞癌IIc期(pT2cN0M0)に対し11年前手術(TAH+BSO+PN/PAN)及び,化学療法(CAP6コース)施行.9年後甲状腺癌を発症しその手術時明細胞癌の頚部リンパ節転移が判明し,CPT-P3コース施行.さらに6ヶ月後多発性転移(肝,肺,縦隔リンパ節)を認めCPT-Pをさらに9コース追加したが,多発性肝転移(S4:34mm,15mm,S7:24mm)の増大を認めた.肝転移のみ増大したため,本人の希望もあり,RFAを施行.RFA前に腫瘍のマーキングのための造影剤(リピオドール)による肝動脈塞栓術とアドリアマイシン肝動脈注入を行った.針生検では,S4の病変から転移性腺癌が検出された.その2週間後にS4の病変に対し,さらに2週間後にS7の病変に対しFRAを施行.また,S4の病変周囲の残存腫瘍に対し,RFAを2回追加した.評価CTで,肝転移はほぼ焼灼されていた.今後は化学療法を追加する予定である.転移性肝腫瘍に対してのRFAの適応は議論のあるところではあるが,今後,本症例の長期予後を観察した上で,化学療法抵抗性で再発部位が肝に限られる婦人科癌に対するRFAの有用性を検討したい.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3) 251-251, 2004


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