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第108回学術集会(平成16年10月10日(日))
【一般演題】
卵巣悪性腫瘍2 卵巣混合型胚細胞腫瘍の一例
渡部 真梨1), 石塚 文平1), 木口 一成1), 飯田 智博1), 水原 浩1), 大熊 克彰1), 近藤 春裕1), 井埜 まり絵1), 矢作 奈美子1), 大原 樹1), 田所 衛2)
聖マリアンナ医科大学医学科産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学医学科病理2)
【はじめに】今回我々は茎捻転を契機として見つかった混合型胚細胞腫瘍の1例を経験したので文献的考察を含めて報告する.【症例】22歳.未経妊.平成16年4月19日急性腹症にて近医外科受診し,腹部触診にて下腹部から臍上部に至る巨大な腫瘤を触知され,当院外科紹介受診.腹部超音波にて卵巣腫瘍が疑われ,同日当科受診となった.血液所見では白血球およびCRPの上昇と軽度貧血を認める以外は特に異常は見られなかった.腫瘍マーカーではα-フェトプロテインが7290ng/mlを示した.MRIT2強調画像では臍上部に至る15×9cmの異常高信号領域を認めた.臨床症状と経過より卵巣腫瘍茎捻転を疑い,緊急開腹手術となった.右付属器は15cm大に腫大しており,茎捻転を起こしていた.腹水細胞診ではClass2であった.右付属器切除術施行し,術中迅速病理診断にて卵黄嚢腫瘍(yolk sac tumor)と診断された.術後病理診断では未分化胚細胞腫と卵黄嚢腫瘍からなる混合型胚細胞腫瘍と診断された.術後に全身検索を行なった結果,術後臨床進行期分類Ic期にて,術後28日目よりBEP療法3クール施行し,現在再発徴候を認めていない.【まとめ】今回我々は茎捻転を契機にして見つかった混合型胚細胞腫瘍を経験した.胚細胞性腫瘍は若年者に多く化学療法が奏功するため,過剰な手術侵襲を避け,妊孕能の温存を考慮する必要がある.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(3)
252-252, 2004
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