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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩4
重症筋無力症合併妊娠の一例


矢作 奈美子1), 和田 康菜1), 栗林 靖1), 中島 健1), 増田 充1), 岩田 正範1), 斎藤 馨1), 堀越 裕史1), 近藤 俊彦1), 徳山 真弓1), 石塚 文平2)
聖マリアンナ医科大学東横病院産婦人科1), 聖マリアンナ医科大学産婦人科2)


 【緒言】重症筋無力症(MG)とは,神経筋接合部でのアセチルコリン受容体の自己抗体(抗Ach-R抗体)を産生する自己免疫疾患である.頻度は人口10万人あたり約3人で,好発年齢は20〜30歳代,性差は約1:2で女性に多い.このため,MG合併の妊婦を産科的に管理することは決して少なくない.今回我々はMG合併妊娠を経験したので文献的考察を加えて報告する.【症例】41歳,0経妊0経産,39歳頃から複視,眼瞼下垂,構音障害,嚥下障害,頚部・体幹・四肢近位筋の筋力低下を訴え,重症筋無力症全身型と診断された.胸腺摘出は施行せず,抗コリンエステラーゼ剤の内服を6ヶ月間行い,その後は外来で経過観察となった.H16年4月4日を最終月経として妊娠成立した.その後神経内科と連携をとりながら外来にて妊婦検診を行い,産科的にも神経内科的にも特に異常は認められなかった.妊娠34週1日の時点で,抗Ach-R抗体は陰性であった.36週4日経膣分娩となり,児は2768g男児,Apgar score 9点であった.児は筋緊張の低下や啼泣,吸啜力の低下を認めず,日齢1日目の抗Ach-R抗体は陰性であり,日齢8日で退院となった.また,母体に関しても産褥期の急性増悪など認めず,産褥6日目に退院となった.【結語】妊娠中のMGの経過は,増悪,不変,寛解と様々で,一定の傾向はみられていない.重症度と抗アセチルコリン抗体価との相関はなく,急性増悪つまりクリーゼの発症などに十分注意が必要である.また,分娩様式の決定,帝切時の麻酔管理など,母児に対する適切な対応・処置のため,神経内科・新生児小児科・麻酔科等との連携を密にした周産期管理が不可欠と思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 178-178, 2005


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