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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
その他の悪性腫瘍1
腹膜偽粘液腫に対する炭酸水素ナトリウム溶液による腹腔内洗浄の有用性の検討


松原 正和, 橘 涼太, 本道 隆明, 木村 薫
厚生連篠ノ井総合病院産婦人科


 腹膜偽粘液腫は原発巣が良性であっても臨床的に悪性の経過をたどり,確立した治療法はないものの,原発巣の切除と十分な粘液物質の除去が重要と考えられている.今回,我々の施設で経験した腹膜偽粘液腫の3例につき検討した.原発巣の切除に加え,炭酸水素ナトリウム溶液を用いた腹腔内洗浄による粘液の溶解・除去が治療として有効と考えられたので報告する.【症例1】69歳女性.右卵巣粘液性腺腫の破綻による腹膜偽粘液腫に対し,右付属器摘出術・大網切除術施行.加温生理食塩水と低分子デキストランで腹腔内洗浄するも粘液除去は困難で,術後3ヶ月で再発し化学療法(CAP)を行うも無効.術後12ヶ月で第2回手術施行(腹式単純子宮全摘術・左付属器摘出術・虫垂切除術).初回術後69,97ヶ月で,それぞれ第3,4回手術施行(粘液除去術,炭酸水素ナトリウム溶液による腹腔内洗浄).炭酸水素ナトリウム溶液使用により,粘液の溶解・除去が容易であった.すでに粘液は腹壁に浸潤しており,その後も再燃し,初回術後126ヶ月で死亡.【症例2】48歳女性.虫垂・右卵巣の粘液性腺腫,虫垂原発の腹膜偽粘液腫に対し,腹式単純子宮全摘術・両側付属器摘出術・虫垂切除術施行.術中,炭酸水素ナトリウム溶液による腹腔内洗浄を行ない,粘液の大部分を除去しえた.術直後より少量の粘液貯留を認めるものの,術後12ヶ月で明らかな増加を認めていない.【症例3】32才女性.左卵巣境界悪性粘液性嚢胞性腫瘍の破綻による腹膜偽粘液腫に対し,左付属器切除術・虫垂切除術施行.術中,炭酸水素ナトリウム溶液による腹腔内洗浄を行ない,ほぼ完全に粘液を除去しえた.術後10ヶ月で再発を認めていない.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 179-179, 2005


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