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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))
【一般演題】
その他の悪性腫瘍1 再発腫瘍摘出術の際に3次元CT検査が有用だった子宮平滑筋肉腫1例
中村 貴則, 宮国 泰香, 國井 優衣子, 杉山 真理子, 小林 優子, 坂本 愛子, 田口 雄史, 池田 申之, 野島 美知夫, 吉田 幸洋
順天堂大学附属浦安病院産婦人科
子宮平滑筋肉腫の発生頻度は子宮悪性腫瘍の全体の約1%と比較的稀である.今回我々は,子宮肉腫術後に再発した腫瘍に対し3次元CT検査で評価し腫瘍摘出を完遂できた症例を経験したので報告する.症例は51歳,2経妊2経産で2003年6月に内科より約20cm大の腹部腫瘤を認めるので婦人科紹介受診となった.MRIなど画像検査では変性した子宮筋腫の疑いであったが,腫瘍マーカーCA125:125.7U/ml,LDH:258IU/lの異常値を呈していたので子宮平滑筋肉腫の可能性も念頭に入れた.2003年8月に腹式単純子宮全摘出術および両側附属器切除術施行したところ,腹部腫瘤は子宮平滑筋肉腫であった.術中,子宮底部が広範囲に腸間膜と癒着認めるものの,癒着部分での病理組織において悪性細胞は認められなかった.術後TJ(Paclitaxel,Carboplatin)療法を6kur施行した.2004年5月の定期外来診察で,上腹部腫瘤感を認め超音波検査施行したところ,約13cm大の再発腫瘍認めた.術前の3次元CTで大網に約15cm大の腫瘤を2個認め,腫瘤の栄養血管の同定および周囲の臓器との癒着の可能性が少ないとの判断できたので摘出術に踏み切った.6月に再発腫瘍摘出および結腸,小腸,腹壁合併切除術施行し,肉眼的には残存病変を認めなかった.7月よりCYVADIC化学療法(Cyclophosphamide,Vincristine,Epirubicin,Dacarbazine)開始し,10月に全5kur終了して外来経過観察しているが,現時点で再発徴候は認められていない.今回再発腫瘍に摘出に対し3次元CTが有用であったので報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2)
180-180, 2005
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