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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
その他の悪性腫瘍1
エストロゲン高値を呈したadenosarcomaの一例


鈴木 永純1), 西井 寛1), 小倉 麻子1), 青木 宏明1), 石塚 康夫1), 大川 浩司1), 礒西 成治1), 中林 豊1), 安田 允1), 田中 忠夫2)
東京慈恵会医科大学附属第三病院産婦人科1), 東京慈恵会医科大学産婦人科2)


 婦人科悪性腫瘍において肉腫はまれな腫瘍であるが,そのなかでも良性上皮成分と悪性非上皮成分が混在するadenosarcomaはさらにまれである.今回我々は,エストロゲン高値を呈し,子宮・卵巣同時発生を疑うadenosarcomaを経験したので報告する.症例は91歳,腹部腫瘤を主訴にて当科受診.成人頭大の腹部腫瘍を認めた.腫瘍マーカーはCA125 59U/mlと軽度上昇のみでCEA,CA19-9は正常範囲であった.MRI検査にて直径20cmを超える多房性腫瘍を子宮の後方に認め,T2強調像で充実性成分が存在し同部に浮腫性の間質と無数の小嚢胞性病変を認めた.これらの所見より,間質性由来の卵巣癌を疑いホルモン検査をしたところ,LH 11.8mIU/ml,FSH 23.5mIU/ml,E2 54.8pg/mlであった.卵巣癌の術前診断にて手術を施行.開腹所見では,子宮体部後壁より茎をもって発生した成人頭大の腫瘍を認めた.右卵巣は4cm大に腫大し,左卵巣は正常であった.本人の強い希望を考慮し,術式は腫瘍摘出術,右付属器摘出術とした.病理組織検査で,子宮腫瘍と右卵巣に異型性に乏しい円柱上皮よりなる腺組織とその周囲に密に増殖する間質細胞を認めた.間質細胞は中等度の異型があり核分裂像は10高倍率視野中2〜3個観察され子宮,右卵巣同時発生のadenosarcomaと診断された.高エストロゲン状態は,卵巣の間質における腫瘍発生に伴う反応性黄体化細胞の出現による可能性が病理組織より示唆された.現在のところ術後追加治療は希望せず施行していないが,再発兆候を認めず外来経過観察中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 181-181, 2005


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