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第109回学術集会(平成17年6月12日(日))

【一般演題】
その他の悪性腫瘍1
エタノールパッチテストを用いたPaclitaxelによるアルコール副障害予知の検討


藤江 裕美1), 小西 英喜1), 石野 博嗣1), 山田 真理子1), 沖野 恵子1), 深見 武彦1), 松島 隆1), 可世 木久幸1), 朝倉 啓文1), 竹下 俊行2)
日本医科大学付属第二病院産婦人科1), 日本医科大学付属病院産婦人科2)


 【はじめに】上皮性卵巣がんのkey drugであるPaclitaxel(以後TXL)の有害事象の中に溶媒アルコールを原因とする報告がある.アルコール摂取時の副障害は分解過程で生成されるアセトアルデヒドによるものであり,その分解酵素であるアセトアルデヒド脱水素酵素(以後ALDH)のうちでALDH2が主役となる.エタノールパッチテスト(以後パッチテスト)は,このALDH2遺伝子の活性型,低活性型,不活性型をスクリーニングする目的で開発された.【目的】TXLを含む化学療法を安全に完遂するためにアルコールによる副障害のスクリーニングについて検討する.【対象と方法】対象は平成15年1月より平成16年6月までわれわれの施設で上皮性卵巣癌に対しTXLを含む化学療法を行い,本研究へのインフォームドコンセントが得られた治療前15例,治療後5例の20例である.パッチテストを行い,その結果と化学療法中の経過について検討した.【結果】対象20例中パッチテストによりALDH2低活性型は9例,ALDH2不活性型は1例と推定された.ALDH2低活性型と推定された9例はTXL投与30分以内に顔面紅潮,動悸などのアルコールによると考えられる副障害が全例発現していた.副障害の強さよりTXLを含まないregimenに変更した1例はパッチテストより後方視的にALDH2不活性型と推定された.前方視的にパッチテストで低活性型と推定された症例は15例中5例あり,これらはTXLの投与速度を抑えるなどにより治療を完遂しえた.【結論】パッチテストはTXLの溶媒アルコールによる副障害発生を予知しうる.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(2) 181-181, 2005


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