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<< 学会誌へ戻る 女性の腹膜腫瘍の場合，腹腔内にび漫性転移病変が存在するが卵巣は正常大であり，術前検査や開腹時肉眼所見でも原発巣の同定が困難な場合がある．今回私達は実際には腹膜腫瘍であったと考えられるが，初回手術後に卵管癌と診断し治療を施行，その後腋窩リンパ節転移をきたした症例を経験し，附属器癌，特に腹膜播種をきたしている症例の転移経路について考えた．症例は59歳の女性．下腹部痛を主訴に内科を受診し卵巣癌が疑われた．初回開腹手術で卵管癌と癌性腹膜炎の診断となり，術後化学療法とその後二回の開腹術，さらに化学療法を行なっていたが，初回手術より約三年後に左腋窩リンパ節の転移を認めた．Virchowリンパ節転移を来さずに腋窩リンパ節転移を認めたことより，従来いわれていた付属器癌リンパ節転移様式の二経路の他に，腹膜播種巣から腹壁リンパ路を経て，直接腋窩リンパ節転移を来す第三の経路が存在すると考えた．婦人科癌で特に腹膜播種が認められる場合，腹壁リンパ路により腋窩リンパ節転移や鼠径リンパ節転移を来す可能性もあるため，同部位の触診を怠ってはならないと思われた． Key words：Normal-sized ovary carcinoma syndrome, Serous surface papillary carcinoma (SSPC), Lymph node metastasis, Axially lymph node 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 37(4) 417-421, 2000 |
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