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<< 学会誌へ戻る 子宮内外同時妊娠の発生は，生殖補助技術（ART）を行えば0.8〜2.9％と報告されている．今回我々はIVF-ET後に子宮内と間質部の内外同時妊娠を来たし，妊娠12週で間質部妊娠の破裂によりショックを起こし救命のため子宮を摘出せざるを得なかった症例を経験したので報告する． 症例は38歳，未経妊．19歳で右卵巣嚢腫にて右附属器切徐されている．原発性不妊のため，他医院にてIVF-ETを施行し妊娠が成立した．近医院にて子宮内に胎嚢を2個認め双胎妊娠の診断を受けていた．妊娠12週1日，突然の下腹部痛の出現で同医院受診．血圧低下を認め，近医総合病院に搬送されたが急激なショック状態に至った．超音波検査，MRI検査にて子宮内に胎嚢が1個しか認められず，内外同時妊娠の子宮外妊娠破裂の診断にて当院へ搬送された．到着時，意識消失，末梢触知不能，Hb 4.9 g/dl，Ht 15.1%，Plt 13.3万/µl．意識下挿管のうえ，急速輸血と輸液を開始し，緊急開腹術を施行した．開腹時，子宮右底部が4 cmにわたり破裂し，1児が腹腔内に脱出していた．子宮内外同時妊娠（一児間質部妊娠）の間質部破裂と診断した．子宮全摘術を施行した．術中失血量は3,670 ml．術後もICUにて管理となったが，患者はその後回復に向かい第11病日に退院した． IVF-ET後は，内外同時妊娠を来す危険が高い．内外同時妊娠を来したとしても，破裂前であれば保存的治療が可能である．超音波検査による子宮内だけでなく，子宮外の注意深い観察が必要で，早期診断が望まれる． Key words：Interstitial pregnancy, Heterotopic pregnancy, IVF-ET, Hysterectomy, Uterine rupture 日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 40(4) 463-467, 2003 |
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