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【原著】
妊娠に合併した卵巣Sertoli-Leydig cell tumorの1例


藤井 和之, 水本 賀文, 高橋 宏典, 秦 俊昭, 酒井 優, 提坂 敏昭
自衛隊中央病院産婦人科
自衛隊中央病院病理


 卵巣Sertoli-Leydig cell tumorは,若年者に多く,全卵巣腫瘍の約0.2〜0.6%を占める1,2).術前確定診断は非常に困難であり,術後病理診断にて確定診断に至る場合がほとんどである.特に妊娠に合併した報告例は非常に少ない.症例は34歳の経産婦.妊娠前期より諸検査にて異常なく経過するも,妊娠32週に卵巣癌を疑い,腹式帝王切開術及び左卵巣腫瘍摘出術を施行した.術後病理診断はSertoli-Leydig cell tumor(intermediate type)Stage Iaであった.なお,母体および胎児の男性化徴候は認められなかった.妊婦のSertoli-Leydig cell tumorは,特異的所見に乏しく,術前診断は非常に困難で,本症例でも,術後病理診断で確定診断できた.妊娠中に増大する卵巣充実性腫瘍を認めた場合,卵巣Sertoli-Leydig cell tumorも鑑別診断として考慮すべきである.

Key words:Ovarian Sertoli-Leydig cell tumor-Pregnancy

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(1) 47-50, 2004


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