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【原著】
IVa期子宮頸癌の治療と予後についての検討
後藤 友子, 長井 智則, 斎藤 麻紀, 大久保 貴司, 末永 昭彦, 山本 智子, 竹田 省
埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
放射線治療によっても完治困難で予後不良であるIVa期子宮頸癌について当院の症例を後方視的に検討した.対象は1990年から2000年の間,当院で治療した子宮頸部扁平上皮癌IVa期症例のうち,全身状態を理由に初回治療が完遂できなかった症例を除く9症例で,治療内容のうちわけは,放射線療法群(R群)3例,動注化学療法後放射線療法群(C+R群)3例,動注化学療法後手術療法群(C+O群)3例であった.動注化学療法は2または3コース施行され,奏効度は6例中PR5例,NC1例であった.R群は全例5年以内に原病死され,C+R群は3例中2例が2年以内の早期に原病死となり,1例は無病生存中であるが,放射線療法の晩期障害を認めている.C+O群は手術療法として広汎子宮全摘+骨盤リンパ節郭清+膀胱全摘+尿管皮膚瘻造設術を行い,病理組織診では全例で腫瘍病変の膀胱への残存を認めたが,3例とも再発なく無病生存中である.子宮頸癌IVa期症例の予後は不良であり,動注化学療法の奏効度の限界,放射線療法後の再発・再燃や晩期障害,膀胱摘出を併用した手術療法による術後のQOL低下などを認めたが,完全摘出が見込まれる症例では積極的な手術療法も予後の改善につながる可能性が示唆された.
Key words:Uterine Cervical Cancer, Bladder Invasion, Neoadjuvant Chemotherapy, Radiotherapy, Surgery
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(4)
333-336, 2004
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