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【原著】
パクリタキセルとネダプラチン併用化学療法の適切な投与間隔の検討
森 裕紀子1), 田中 邦治1), 福田 貴則1), 鈴木 啓太郎1), 田部 宏1), 西井 寛1), 渡辺 明彦1), 落合 和彦1), 田中 忠夫2)
1)東京慈恵会医科大学付属青戸病院産婦人科 2)東京慈恵会医科大学産婦人科
当院では,以前より白金製剤としてNedaplatin(NDP)を用いて,Paclitaxel(TXL)との併用療法TN療法の4週間隔投与を施行し,Carboplatin(CBDCA)との併用療法TJ療法と同様な効果および副作用を確認報告している.TJ療法は3週間隔投与が標準となっており,今回TN療法において3週間隔投与が可能か検討した.初回化学療法がTXL(180 mg/m2)とNDP(75 mg/m2)の静脈内投与であり,卵巣癌は25例(4週間投与20例,3週間投与5例)で,子宮体癌23例(4週間投与14例,3週間投与5例)である.副作用の骨髄抑制(白血球,好中球,Hb,血小板),関節痛,末梢神経障害の施行周期による違いを後方視的に検討した.副作用はNCIによるCommon Toxicity Criteria1)に基づいて判定した.Grade4の副作用を認めたのは好中球数のみで,4週間隔投与で67%(23例),3週間隔投与は89%(8例)だった.白血球数のGrade3の副作用は4週間隔投与で38%(13例),3週間隔投与(44%例)だった.Hb値,血小板数のGrade3の副作用は4週間隔投与でそれぞれ1例のみ認めた.Grade3の末梢神経障害は4週間隔投与9%(3例)3週間隔投与22%(2例)だった.痛みはGrade2までだった.TN療法の4週間隔投与と3週間隔投与の副作用に有意差がみられないこと,かつ,全例5コース完遂できたことより,TN療法の周期的化学療法はTJ療法と同様に3週間隔での投与が可能と思われた.
Key words:Paclitaxel, Nedaplatin, Toxicity, Chemotherapy, Gynecological malignancy
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(4)
383-387, 2004
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