|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
【原著】
子宮内膜増殖症を伴う卵巣顆粒膜細胞腫の3例
水竹 佐知子, 中村 学, 臼井 真由美, 宮本 純孝, 富田 初男, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科
今回我々は子宮内膜増殖症を伴う顆粒膜細胞腫を3例経験したので報告する.【症例1】44歳,0経妊0経産,4年来の下腹部腫瘤感と不正出血を伴う帯下を主訴に受診.MRI及び超音波検査にて充実性卵巣腫瘍と著明な子宮内膜の肥厚を認めた.単純子宮全摘術および両側附属器摘出術を施行し,卵巣顆粒膜細胞腫,複雑型子宮内膜異型増殖症と診断した.【症例2】57歳,2経妊2経産.腹部膨満感,頻尿を主訴に受診.MRI及び超音波検査にて新生児頭大の多房性卵巣腫瘍と,軽度の子宮内膜肥厚を認めた.卵巣顆粒膜細胞腫の可能性も考えられ,E2値を測定したが,閉経後にしては高値であった.単純子宮全摘術および両側附属器摘出術を施行し,卵巣顆粒膜細胞腫,単純型子宮内膜増殖症と診断した.【症例3】70歳,4経妊2経産.不正出血を伴う帯下を主訴に受診.MRI及び超音波検査にて成人頭大の多房性卵巣腫瘍を認め,悪性卵巣腫瘍を疑った.単純子宮全摘術,両側附属器摘出術,大綱切除術を施行し,卵巣顆粒膜細胞腫,単純型子宮内膜増殖症と診断した.
Key words:granulosa cell tumor, endometrial hyperplasia
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 41(4)
389-395, 2004
|