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【原著】
サラゾスルファピリジンによって引き起こされたと考えられる造精機能障害の4症例


河村 寿宏, 後藤 妙恵子, 森 理子
田園都市レディースクリニック 不妊センター


 造精機能障害を引き起こす薬剤として炎症性腸疾患の治療薬であるサラゾスルファピリジン(サラゾピリン)が知られているが,今回我々は同剤による精液所見悪化の4症例(年齢:33歳〜43歳)を経験したので報告する.サラゾスルファピリジン内服中の精液所見は,4症例とも重症の乏精子症や精子無力症であった.サラゾスルファピリジンの内服中止または5-アミノサリチル酸製剤であるメサラジン(ペンタサ)への変更により,4症例とも精液所見は著明に回復した.4症例各々のサラゾスルファピリジン内服中および中止3〜4か月後の精液所見(精液量,精子濃度,運動率,正常形態率)の平均値は,症例1の内服中(0.7 ml,6×106/ml,5%,11%),中止3か月後(0.9 ml,47×106/ml,54%,45%),症例2の内服中(1.6 ml,6×106/ml,12%,26%),中止3か月後(2.0 ml,66×106/ml,42%,30%)症例3の内服中(3.7 ml,22×106/ml,30%,64%),中止4か月後(4.2 ml,62×106/ml,66%,61%),症例4の内服中(2.2 ml,29×106/ml,11%,12%),中止4か月後(3.3 ml,104×106/ml,45%,46%)であった.症例1は内服中止後3か月目に自然妊娠,症例2と3は他剤への変更後IVF・ETにより妊娠した.精液所見が不良のケースでは,内服中の薬剤にも十分注意を払い,不妊原因となるものがあれば,可能であればその薬剤の内服中止や他剤への変更を,処方医師と相談の上で実施する必要があると考えられた.

Key words:male infertility, salphasalazine, ulcerative colitis

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(1) 55-58, 2005


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