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【特集】
一子のみに右横隔膜ヘルニアを発症した一絨毛膜性双胎の一例
西 健, 松岡 隆, 安藤 智, 市原 正義, 大槻 克文, 関沢 明彦, 岡井 崇
昭和大学病院 総合周産期母子医療センター
我々は一子のみに右横隔膜ヘルニア(Right Congenital Diaphragmatic Hernia)を発症した一絨毛膜性双胎(MDtwin)を経験したので報告する.妊娠初期より当科にてMDtwin管理をしていたが,妊娠33週に超音波検査で第一子の右胸腔内に右房を圧排する占拠性,充実性の腫瘤を認めたため超音波及びMRI検査施行し,MDtwinの第一子に発症したRCDHと診断した.この際健児には形態学的異常は認めなかった.また,両児とも妊娠20週,30週での胎児スクリーニング超音波検査で異常を認めなかった.患児は出生後右横隔膜ヘルニア縫縮術,付加的虫垂切除を施行し経過良好である.妊娠32週以降に発症した点と呼吸様運動に伴いヘルニア陥入が観察された点より妊娠後期発症のCDHに呼吸様運動がかかわっている可能性が示唆された.
Key words:Right Congenital Diaphragmatic Hernia, MDtwin, Pulmonary hypoplasia, MRI
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(1)
71-74, 2005
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