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 関東連合産科婦人科学会会誌 オンラインジャーナル

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【原著】
成人呼吸窮迫症候群(ARDS)を合併したMRSA産褥熱の1例


木林 潤一郎, 神保 正利, 小林 圭子, 森山 修一
千葉西総合病院産婦人科


 双胎帝切後の産褥期に突然の発熱と全身性紅斑にて発症し,敗血症性ショックから成人型呼吸窮迫症候群(adult respiratory distress syndrome:ARDS)に進展したと考えられる症例を経験した.
 症例は36歳,初産婦.双胎骨盤位のために妊娠37週5日に選択的帝王切開術を施行し,2,456 gの男児,2,306 gの女児を出産した.術後経過は順調であったが,産褥9日目に悪露滞留を認めたため産褥期子宮内容除去術を施行した.産褥10日目に至って38℃の発熱があり,12日目に40℃を超える発熱をきたし,やがて全身に紅斑が出現し化学療法の実施にも関わらず進行性呼吸困難と低酸素血症を認め,敗血症性ショック後に成人型呼吸窮迫症候群を併発したものと診断した.
 諸種の臨床検査の結果からは,腹腔内膿瘍などは認めず,子宮内貯留液・血液の培養よりメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が検出されたため,産褥10日目に産褥熱を発症し敗血症に進展,上行性に感染拡大したものと診断した.
 バンコマイシン,カルベニンの投与,酸素吸入により産褥26日目に全身状態は改善した.
 MRSA感染には敗血症へ移行する可能性を認識し全身管理に習熟することが必要であり,早期診断・早期治療を開始することが重要である.

Key words:MRSA, Puerperal fever, ARDS, Toxic Shock Syndrome(TSS), Sepsis

日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 42(4) 443-448, 2005


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