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【症例報告】
子宮筋層内に発生した異所性子宮内膜症の2例
久保 祐子, 中村 学, 斎藤 麻紀, 宮本 純孝, 富田 初男, 安藤 昭彦
さいたま赤十字病院産婦人科
子宮内膜症の発生部位は多彩であり,その成因も不明なことが多い.今回我々は若年発症型の嚢胞性子宮腺筋症と子宮頸部内膜症を経験したので報告する. 症例1は16歳.13歳時より過多月経,14歳時より月経困難症が出現し,15歳時より増悪した.超音波・MRI検査にて子宮体部右側筋層内に約3 cm大の嚢胞性病変を認め,副角子宮または嚢胞性子宮腺筋症を疑った.16歳時,保存的治療が無効となり,開腹術による腫瘤摘出術を施行した.陳旧性血液を含む嚢胞性腫瘤で,病理組織検査で嚢胞性子宮腺筋症と診断した.術後,症状は消失した. 症例2は23歳,未経妊婦.21歳時に多量不正性器出血が出現,子宮腟部2時方向に約3 cm大の血腫を認め,血腫除去術を施行した.1年9か月後,再び多量出血が出現,子宮腟部7時方向に約3 cm大の青色腫大病変を認め子宮頸部内膜症性嚢胞の破裂と診断した.圧迫止血が困難なため切除術を施行し,病理組織検査で子宮頸部内膜症と確定診断した.術後GnRHアナログ療法を6か月施行し,現在,再発を認めていない.
Key words:Cystic adenomyosis, Endometriosis, Uterine cervix
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(4)
365-371, 2006
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