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		【症例報告】 
		胎盤遺残に子宮鏡下手術が有効であった一症例
  
		照沼 由美, 大谷 貴美, 対木 章 
		独立行政法人国立病院機構 水戸医療センター産婦人科
  
		  
		 産後不正出血を訴える患者に対し,従来胎盤鉗子による子宮内容除去術や掻爬術が施行されてきたが,その操作は盲目的であり術中異常出血等の危険を伴っている.今回我々は,出産後一か月を過ぎても性器出血が持続し,子宮内腔を占める長径36 mmの子宮内胎盤遺残を疑う症例を経験した.この症例は将来的に挙児を希望しており,子宮温存はもちろんのこと,着床障害を来たす子宮内病変は残しておけない状況であった.今回,病巣を直視下に観察できる子宮鏡下手術を施行し,術中出血を避けるとともに病巣の完全切除が可能であった.退院後,不正出血は消失し子宮内膜はleaf patternを呈した.子宮鏡下手術は,子宮内の正常組織を避けて病巣を摘出することが可能であり,従来の盲目的な掻爬術より安全で,かつ妊孕性温存の面からみても効果的な治療法と思われる.
  Key words:residual trophoblastic tissue, hysteroscopy, curettage
  
		日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(4)
		379-382, 2006 
		 
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