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【症例報告】
出生前診断された左室瘤の一例
山下 真紀子1), 加村 和雄1), 岡垣 竜吾1), 小林 浩一1), 石原 理1), 馬場 一憲2), 竹田 省2)
1)埼玉医科大学病院 産婦人科 2)埼玉医科大学総合医療センター 総合周産期母子医療センター
先天性の心室瘤は,重症心奇形に合併する場合を除き,これのみでの症状は乏しいため小児期の偶然の発見が多く,出生前診断された左室瘤の報告は数少ない.今回我々は胎児不整脈を契機とし胎児期に診断された左室瘤の一例を経験した. 症例は29歳.妊娠23週頃より,胎児期外収縮が出現し,超音波断層検査上,左心室にcystic massを認めた.しかし胎児不整脈はその後消失し,超音波断層検査上,左室瘤17×7 mmを認めたが,経過観察中に増大傾向も胎児心不全徴候も認められなかった.妊娠36週6日に経腟分娩で生児を得,精査の結果,真性心室瘤と確定診断された.現在児は3歳であるが,不整脈や心不全徴候出現もなく,アスピリン内服のみで外来フォローとなっている.
Key words:ventricular aneurysm, arrhythmia, prenatal diagnosis
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 43(4)
383-387, 2006
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