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【原著】
婦人科癌患者に対する入院化学療法中の新たな食事メニュー(化学療法食)による計画的な入院治療について―患者アンケートをもとにした食事メニューの改良―
三塚 加奈子, 村松 俊成, 高橋 千果, 杉山 太朗, 東郷 敦子, 塚田 ひとみ, 近藤 朱音, 平澤 猛, 安齋 ゆかり*, 花本 美奈子*, 鈴木 孝*, 三上 幹男
東海大学医学部 専門診療学系産婦人科 *東海大学病院栄養科
婦人科癌における化学療法は,予後の改善に必要不可欠である.しかし,化学療法に伴う嘔気,嘔吐,食欲不振といった消化器症状の遷延は,長期間の持続点滴や低栄養の状態を招き,計画的な化学療法を阻害する要因となっている.そこでわれわれは,以前に婦人科癌にて入院化学療法をおこなった20名の患者を対象に,化学療法中の食事メニューに対するアンケート調査を行い,食べやすく,消化吸収がよく,栄養価の高い化学療法中の食事メニュー(化学療法食:化療食)を考案し,食事の摂取率や摂取カロリーなどについて従来の一般病院食(普通食)の患者と比較した.また,今回は新たに食欲に応じたフェーススコアを考案して食欲の程度を定量化し,実際の食事摂取量(カロリー量)との相関性を検討した.結果として今回考案した化療食は従来の病院食よりも高い摂取率,摂取カロリーが維持でき,平均7.3日の化学療法入院が達成され,計画的な化学療法が可能となったと考えられた.
Key words:gynecologic cancer, chemotherapy, emesis, food
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 44(4)
349-355, 2007
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