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【症例報告】
FDG-PET/CT検査によって適切な臨床診断と外科的治療を含む包括的治療を実施した再発子宮頚癌の1例
櫻井 信行, 立岡 和弘, 岩崎 真也, 松本 光之
静岡市立清水病院産婦人科
子宮頚癌の再発に対する治療は困難であることが多く,予後も不良である.今回我々は,子宮頚癌の再発症例に対しFDG-PET/CT検査(以下PET/CT検査という)を行い,外科的治療を含めた有効な治療を行った症例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は54歳,子宮頚癌Ib1期(角化型扁平上皮癌)の診断で広汎子宮全摘出術を施行,左外腸骨リンパ節および右閉鎖リンパ節への転移を認め,全骨盤への放射線照射を追加した.術後5年で血清SCC値の上昇と,CT検査で傍大動脈周囲のリンパ節腫大認めたため再発を疑い,再発部位の正確な同定のためPET/CT検査を施行した.PET/CT検査では傍大動脈リンパ節から左総腸骨リンパ節領域に異常集積を認め,単独再発と判断し手術を行った.手術では,リンパ節に再発した腫瘍は大動脈・腰椎への浸潤を認めたため,全摘出はせずに1/2程度の亜摘出となった.再発腫瘍の病理組織診断は原腫瘍と同組織型であった.術後,抗癌剤同時併用放射線治療を行ったところ腫瘍の縮小と血清SCC値の低下を認め,治療経過は良好と考えられた.子宮頚癌をはじめとする悪性腫瘍の再発例に対し,PET/CT検査は治療方針を決定する上で有用であると考えられた.
Key words:PET/CT, FDG, cervical cancer, recurrence
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 44(4)
383-386, 2007
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