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【症例報告】
妊娠成立前後のリンパ節腫脹を契機に病理組織診断によりトキソプラズマ初感染が確定診断された2症例
花岡 正智, 高屋 茜, 崎川 牧子, 塚崎 雄大, 中澤 史子, 中山 裕敏, 北條 智, 柿木 成子, 中田 真木, 安田 孝, 小島 俊行
三井記念病院産婦人科
一般にトキソプラズマの母子感染が生じるのは,妊婦の初感染の時である.したがって妊婦の感染が疑われた場合,最も重要なことはその感染時期の推定である.本報告は妊娠前後にトキソプズマ性頸部リンパ節炎が病理診断された,まれな2症例の報告である.両症例ともトキソプラズマIgM抗体陽性で,トキソプラズマIgG抗体のAvidity Indexが低値であり,妊娠初期の急性感染が疑われ,先天感染の可能性もあったが,アセチルスピラマイシン,アジスロマイシンを内服し,妊娠が継続され健児を得た.妊娠経過中の抗体の動きはリンパ節腫脹の時期と矛盾がなく,リンパ節腫脹から感染時期が特定できた症例の血清が得られた点でも貴重な2症例である.
Key words:Toxoplasma IgM antibody, Avidity Index, Lympadenopathy
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会誌, 45(4)
335-341, 2008
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