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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【教育講演】
経腟超音波診断
石原 楷輔
日本医科大学第二病院産婦人科教授
近年,カラードプラ(パワードプラ)法,Sonohysterography ,3 D 表示法,コントラス トエコー法が登場し超音波診断能は著しく向上した.しかし,これら多種法を駆使する診 断においても基本は断層像(2 次元)の正しい描出と正確な読影にある.そこで,経腟超音 波診断における画像描出,読影上しばしば陥りやすいピットフォールをいくつか抽出し解 説する.また,最近の新しい知見と3 D 超音波活用の一端について述べる. 1 .経腟超音波診断におけるピットフォール 1 )初期GS 像の取り扱い:(1 )GS 像の検出は子宮内妊娠の根拠となるが,正常月経周期 の症例でもGS 検出が予測よりも大きく遅れ子宮外妊娠との鑑別に難渋することがある. 排卵日が推定できた症例では排卵後17 〜20 日で検出できるが,単に月経周期が正常(27 〜30 日)であるとする症例ではGS の検出は予測よりかなり例が多い.(2 )間質妊娠と角部 妊娠,頸管妊娠と頸管流産,帝切瘢痕部妊娠など診断に苦慮する症例では,妊娠早期にお けるGS 着床部位の検討が有用である. 2 )頸管の評価:頸管無力症,早産,前置胎盤における基本的なプローブの操作と頸管評 価の基本的知識について解説する.妊娠中期の前置胎盤では妊娠経過と共に正常位胎盤に 変化する過程を,頸管無力症ではプローブ操作法と読影上の注意点,切迫流早産おける頸 管評価ノピットフォールについて述べる. 2 .前置胎盤と周産期出血の予測:前置胎盤の管理で最も注意する点は大量出血の発生で ある.そこで,超音波画像から多量出血の有無の予測を試み知見を得たので解説する. 3 .3 D 超音波と子宮腔観察:子宮腔形態異常やGS 付着位置のスクリーニングに非常に 有用である.実例を供覧する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
221-221, 2001
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