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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【教育講演】
乳がん検診へのマンモグラフィ導入にあたって


遠藤 登喜子
国立名古屋病院放射線科部長


 日本女性の乳がんは急増し,1995 年にすでに年齢調整罹患率は女性がんの第1 位と
なっている.年齢階層別にみると罹患のピークは40 歳代にあり,死亡は第5 位であ
るものの,壮年層では第1 位である.しかし,乳がんは早期での救命率が高く,かつ
早期に発見する手段があることから,2 次予防,つまり検診が有効ながんでもあ
る.
 乳がん検診は1987 年から視触診で行なわれてきたが,その評価は「視触診による乳
がん検診の有効性には限界があるといわざるを得ない.すでに欧米先進国において
有効性評価が得られているマンモグラフィの導入の検討が欠かせない」ものであっ
た.
 これを受け,わが国でも2000 年3 月,検診システム,撮影機器,撮影技師および読
影医師の準備が整ったところからマンモグラフィを導入することとなった.マンモ
グラフィの漸次導入は,マンモグラフィ検診には精度管理が必須であることによっ
ている.
 精度管理は,読影医の講習と撮影技師の養成,マンモグラムの質の保証と,検診精
度評価システムなどからなる.マンモグラフィ検診精度管理中央委員会(日本乳癌
検診学会,日本医学放射線学会,日本放射線技術学会,日本乳癌学会,日本産科婦
人科学会,日本医学物理学会の代表によりなる)は医師・技師に対する教育活動
(教育・研修委員会)と施設・画像の評価活動(施設・画像評価委員会)を展開し
ており,2001 年8 月現在,すでに医師・技師各々1200 名以上(産科婦人科医師219
名)が受講している.
 講習会は,マンモグラフィ導入の背景,乳がんの病理と画像,マンモグラフィの基
礎,マンモグラフィ所見用語とカテゴリー分類などの講義,小人数グループに分か
れての討論形式で多くのマンモグラムを学ぶグループ講習と,100 例の読影試験から
なっている.
 現在,乳房に異常を疑う女性の半数が産婦人科を受診しており,産科婦人科医が乳
がんの正しい知識をもち,マンモグラフィ検診に積極的に参加することによって乳
がん死亡の減少が導かれることが期待される.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 224-224, 2001


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