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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(1)
子宮摘出を必要とした妊娠中期流産の一症例


新井 隆成1), 上野 浩久1), 犬山 律子1), 森田 明日香1), 小島 俊彦1), 柿沼 敏行2)
国立病院東京災害医療センター産婦人科1), 同第一外科2)


[症例]23才初産婦[産科歴]2経妊0経産[月経歴]初経14才,28日型整,最終月経;平成12年10月3日より5日間[現病歴]妊娠経過順調であったが,平成13年3月5日より41度台の発熱を認めたため,3月8日(妊娠21週5日)近医産院受診.切迫流産と診断され入院となった.翌日午後,子宮内胎児死亡となり経膣分娩.分娩時,胎児,胎盤に異臭を認め,多量の凝血塊が排出された.分娩後収縮期血圧70mmHg台のショック状態となったため,近くの総合病院へ緊急搬送.血液検査にて白血球数600/μl,血小板数1万/μlを認めたため当センターに搬送となった.[経過]搬送時,収縮期血圧70mmHg台,脈拍160/分のショック状態.子宮底は臍高,触診上子宮は硬.膣鏡診にて凝血塊排出.CT上子宮筋層に広汎な血液のうっ滞を疑う所見を認めた.出血性および敗血症性ショック,DICと診断しICUにて加療.ショック状態,DICは改善したが,38度台の発熱,白血球数とCRPの高値継続.3月26日CT検査にて子宮壊死を疑い3月28日開腹術施行.骨盤内全体に壊死所見を認め,子宮膣上部切除,付属器部分切除施行.病理組織検査にて子宮,付属器に広汎な壊死所見と著明な炎症所見が認められた.術後徐々に白血球数,CRPともに正常化し,術後19日目退院となった.[結語]本症例における骨盤内壊死は常位胎盤早期剥離後のDICによるものと考えられた.発症の経過から絨毛膜羊膜炎が早剥の要因になったものと推察された.このような症例を予防するには妊婦健診での膣分泌物培養スクリーニングの徹底,妊婦への生活指導および感染徴候に対する十分な指導が必要であると考えられた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 235-235, 2001


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