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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(2)
不妊治療後に発症したSLE合併妊娠の一例


阿部 俊行, 西田 直子, 小木 三郎, 峯 伸也, 松下 径広, 五十嵐 俊夫, 若月 雅美, 鴨井 青龍, 河村 堯, 荒木 勤
日本医科大学産婦人科


 全身性エリテマトーデス(SLE)は胎児死亡と最も深く関与している自己免疫疾患である.また,妊娠可能年齢の女性に好発し,産褥期に増悪するため,妊娠の可否や妊娠継続については慎重な対応を必要とする.今回我々は,妊娠中に発見された重篤なSLEを合併した妊娠を経験した.症例を通じて,妊娠中の治療方法やその管理方針について若干の考察をしてみたい.症例は30歳,未産婦,不妊を主訴に前医受診.hMG-hCG療法を行ない妊娠に至った.妊娠10週の検診時に蛋白尿(+++),尿潜血(++),全身浮腫を認め,精査,加療目的で,平成13年2月8日当院に紹介となり同日入院となった.入院時より低蛋白血症と高度の尿蛋白,血小板減少を認めており,通常の妊娠中毒症による腎障害とは異なるため,内科受診.関節痛と蝶形紅斑,血清補体価低値,抗核抗体陽性,抗DNA抗体陽性,抗SM抗体陽性よりSLEによるループス腎炎が強く疑われた.確定診断と治療方針決定のため,2月21日腎生検施行,IV型(WHO)と診断された.IV型ループス腎炎の予後は悪く急速に末期腎不全に進行する例もあるが,本人の妊娠継続の意志が強く,内科医も交えた話し合いの結果,2月24日より免疫吸着療法,ステロイドパルス療法,抗凝固療法を開始した.しかし,3月6日,17週6日で胎児死亡を確認した.児娩出後は内科管理となり再度治療を開始したが症状改善なく血圧コントロール不良となったため,エンドキサンによる免疫抑制療法を施行.これにより著明に改善し,5月13日退院,現在外来通院中である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 237-237, 2001


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