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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(3)
妊娠中に大量消化管出血を来した,Blue rubber bleb nevus syndrome合併妊娠の一例


野池 雅実, 正木 千穂, 芦田 敬, 北 直子, 加藤 清, 金井 誠, 小西 郁生
信州大学医学部産婦人科


 Blue rubber bleb nevus syndrome(青色ゴムまり様母斑)は消化管の血管腫を伴う特殊な多発性血管腫で,多量の消化管出血で出血死する場合もある.妊娠に合併した報告は過去に1例認められるのみである.今回,本疾患を合併した妊娠例を経験したので報告する.症例は25歳,0G0P.先天的に全身性の血管腫を認め,Kasabach Merritt症候群の発症や脳出血などの症状を呈していたが,20歳以降は病状が安定していた.平成12年9月,当科で妊娠確認された.妊娠11週より下血を認め,内視鏡検査の結果,上部消化管に数個,結腸には約20個の血管腫が存在し,内視鏡下に約50個のクリップで止血した.これらの病状から本疾患と診断し,慎重に経過を観察していたが,妊娠19週時,動悸と血便で緊急入院となった.Hb値は3.9g/dlまで低下し,輸血の後,緊急内視鏡にて小腸出血と診断した.緊急開腹術を行い,10カ所にわたる小腸部分切除術を施行した.術後,エコー,MRI等にて全身の血管腫を再精査したが,他の内臓や脳には大きな血管腫は認めなかった.術後は安定した妊娠経過であった.右大腿に鵞卵大の血管腫が存在し,股関節の開排制限があるため,妊娠38週で帝王切開術を施行し,3346gの健常男児を娩出した.母体は手術翌日,血小板数の軽度低下,FDP値の急上昇を認め,術後3日目から下腹部と左側腹部に皮下出血を認めたが,術後4日には凝固系検査値も術前の値に回復した.母児ともに経過良好で術後12日目に退院となった.妊娠が本疾患に与える影響は不明であるが,本例では数年間安定していた血管腫の症状が,妊娠を契機に重症な形で顕在化した可能性が示唆される.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 240-240, 2001


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