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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(4)
偽性副甲状腺機能低下症合併妊娠の一例


吉野 百合子, 木村 正博, 大沢 洋之, 梶原 健, 本間 智一, 小川 博和, 渡辺 芳明, 富岡 康広, 畑 俊夫
埼玉医科大学産婦人科


 偽性副甲状腺機能低下症は,PTHレセプター障害により,低Ca血症,高P血症等を引き起こす疾患であが,偽性副甲状腺機能低下症合併妊娠の報告は少なく,治療方針や胎児への影響など,不明な点が多い.今回我々は,偽性副甲状腺機能低下症合併妊娠の一例を経験したので報告する.症例は,35歳0回経妊.3〜4年前より両手がしびれ,動かしにくくなったため,当院内科を受診したところ,偽性副甲状腺機能低下症と診断された.ロカルトロール(活性型ビタミンD3)内服にて治療開始となった.さらに偽性副甲状腺機能低下症の分類精査中に妊娠したため,H12.5.30当科受診し,その後,当科外来にて,妊娠経過を見た.妊娠中,多少のCaの変動あるも,ロカルトロールの増減にて血中Ca値を7.5〜8mg/dl保たせた.児の成長も良好であった.H13.2.4(ss40w6t)選択的帝王切開術目的に入院.H13.2.6Ca値が6.98mg/dlと低下したため,グルコン酸カルシウムの持続点滴に切り替え,術後経口開始まで行った.H13.2.7(ss41W2t)選択的帝王切開術にて,3194gの女児を娩出した.Apgar score9(1分後)10(5分後),臍帯動脈血PH=7.37,Ca8.88mg/dl,P6.38mg/dlであった.母児共に経過良好であり,H13.2.17退院となった.若干の文献的考察を加えて報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 243-243, 2001


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