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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(5)
当科で経験した非絨毛性多発嚢腫の1例


田村 友宏, 高木 剛, 篠崎 博光, 西郡 秀和, 勝俣 祐介, 片貝 栄樹, 亀田 高志, 今井 文晴, 笠原 慶充, 安藤 一道, 峯岸 敬
群馬大学医学部産婦人科


 非絨毛性多発嚢腫は,胎盤に嚢腫が多数認められ,肉眼的に部分胞状奇胎に類似する胎盤異常である.胎盤が非常に大きく,病理組織学的に,水腫様変化した絨毛の嚢胞内に血管が認められ,トロホブラストの増殖が認められないことから胞状奇胎と鑑別される.また胎児は奇形を認めないSFDであることが特徴であるとされている.今回,我々は非絨毛性多発嚢腫の1例を経験したので報告する.症例は25歳,1回経妊1回経産.第1子は妊娠39週,2612g,正常分娩であり胎盤異常は指摘されていない.今回の妊娠経過は妊娠16週に近医より胎盤形態異常:胞状奇胎の疑いで当科に紹介となった.超音波およびMRI画像では,胎盤の一部に多数の嚢胞を認めたが,妊娠経過中に血中hCG,hCGβは異常高値を示さず,また羊水の染色体検査も正常であり,超音波画像で胎児奇形も認めないため胞状奇胎の可能性は低いと考えられた.胎児の発育は妊娠初期より良好であったが,妊娠35週4日に推定体重1765gとIUGRを認め,妊娠37週3日に経腟分娩となった.女児,出生体重は1995gであり,奇形は認めていない.胎盤の重量は975g,大きさは25×19×2cmであり,胎盤の約60%に変性部分が存在し,その割面には粟粒から米粒大の白色様の嚢腫が多数認められた.正常胎盤部には顕著な血管の拡張が認められた.病理組織学的検査の結果,非絨毛性多発嚢腫と診断された.母児共に分娩後の経過は順調である.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 244-244, 2001


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