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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(5)
妊娠21周で重症DICを呈し,胎盤早期剥離を疑った1例


渕脇 泰介, 坂本 愛子, 高瀬 幸子, 鈴木 正明
浦安市川市民病院産婦人科


 緒言:一般に胎盤早期剥離は妊娠中毒症などに合併し,妊娠中期から後期に発症することが多い.今回我々は,妊娠21週に下腹痛を主訴に来院し,胎盤早期剥離を疑い,血液検査を行ったところ,重症DICを起こしていた1例を経験したので報告する.症例:I.H. 39才,3回経産婦(経膣分娩×3),既往歴,家族歴に特記事項なし.妊娠6週より,当院産科外来にて妊婦健診を受ける.妊娠21週5日に,前日からの持続性の腹痛を訴え来院した.USにて子宮壁と胎盤の間に,一見血腫様,径94ミリの腫瘍様エコーを認めたが,胎児心拍は保たれており,外出血も認められなかった.直ちに行われた血液検査において,WBC=14,300,Hb=10.2,Plt=73,000,APT>5min.PPT=25.1/12.0 sec.,Fibrinogen=14,FDP=160,AT-III=73と,重症のDICを発症していた.本人・家族と相談したのち,膣式帝切を施行した.児は分娩中の死亡で,449gであった.羊水はやや血性,胎盤の娩出は比較的容易であり,剥離した胎盤母体面には広範囲に小血腫塊が,び漫性に薄く付着していた.術中出血は2600mlであった.術後に全身状態および血液検査所見は改善傾向を示したが,手術終了5時間後より,血圧が低下しUS上,腹腔内出血を認めた.このため,緊急再手術を施行し子宮摘出術をおこなった.出血部位は左子宮傍結合織付近で,術中出血は3700mlであった.病理検査結果上子宮に腫瘍はなく,胎盤後血腫を呈していた.結語:胎盤早期剥離症例において,US上非定型的な胎盤剥離像を呈し,臨床所見に比し,血液生化学的所見が先行し,重症DICを発症している場合があり得るので,今後よりいっそうの注意が必要であると思われた.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 245-245, 2001


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