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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(6)
治療抵抗性重症ITP合併妊娠の管理について


岡本 三四郎, 松田 秀雄, 中田 英之, 笹 秀典, 古谷 健一, 菊池 義公
防衛医大産婦人科


 妊娠中に発症したITPは妊娠中に良好なコントロールを得た上で児を娩出することが肝要であり,分娩様式を含めた明確な周産期管理方針が必要とされる.今回,妊娠36週にて急激に増悪する血小板減少症にて母体搬送され,治療に苦慮した1症例を経験したので報告する.〔症例〕30才,1経妊0経産.急激に増悪する血小板減少症にて,5月3日,(妊娠36週1日)母体搬送される.直ちに末梢血検査を施行,WBC 6100,RBC 390万,Hct 34.6%,Plt 2.8万であった.同時に骨髄穿刺を施行し,ITPと診断された.ヴェノグロブリン20g/day,プレドニン20mg/body×5days,血小板輸血75単位したが無効であった.母胎および胎児脳MRIを施行し,脳内出血なきことを確認した.同日,非周期的な子宮収縮が出現したため,陣痛発来した場合の分娩様式が論点となった.経膣分娩時の胎児頭蓋内出血の危険性と,帝王切開時の大量輸血,子宮摘出の危険性との両方が考えられたため,経子宮的胎児採血(臍帯静脈穿刺)を施行した.胎児血液ガス,胎児血液型に併せて,胎児CBCを得て経膣分娩の方針とした.併せて母胎,胎児の血小板の抗原性と抗血小板抗体の型を同定した.5月7日,陣痛発来.血小板20単位を輸血しながら分娩に望んだ.5月7日19:22,2430g Apgar 2/6の女児を得た.妊娠中に発症したITPでは複雑な原因が想定され,発症機転に即した治療を直ちに施行しかつ効果を得るのは難しいとされる.症例を通じて得た知見を文献的考察とともに報告する.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 246-246, 2001


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