|
<< 学会誌へ戻る
<< 前のページへ戻る
第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(8) 重症喘息合併妊娠の1例
臼井 真由美1), 平嶋 海帆2), 村山 敬彦1), 斉藤 正博2), 小林 浩一1), 林 直樹2), 石原 理2), 竹田 省2)
埼玉医科大学総合周産期母子医療センター産婦人科1), 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科2)
気管支喘息患者は年々増加しており,その罹患率は3%に達している.このため,喘息の既往がある患者または喘息患者が妊娠する頻度は高く,その管理は重要である.今回我々は,妊娠後期に重症喘息様発作で搬送され,びまん性汎細気管支炎が疑われた症例を経験したので報告する.【症例】29歳0G0P 既往歴:3歳から喘息様発作のため小児病院で管理されていた.その後,近医の内科で内服薬・吸入薬・定期的に通院し点滴治療受けていた.現病歴:自然妊娠.妊娠30週頃から,喘息様発作増悪傾向を認め,日常生活で呼吸苦も徐々に増悪した.妊娠34週4日,当総合周産期センターに紹介受診後入院.入院時の胸部レントゲン写真ではびまん性汎細気管支炎が強く疑われる所見であった.喘息様発作・呼吸苦にてSpO2 91%を推移した.β2刺激薬及びステロイド静脈投与した.呼吸器感染症に対して抗生物質投与により呼吸苦徐々に軽快.子宮内胎児発育遅延・羊水過少を認めたため,妊娠35週4日,硬膜外麻酔にて帝王切開術施行.1756gの女児を分娩した.術後は合併症もなく退院した.手術後に施行したCT所見では,びまん性汎細気管支炎に合致する所見であった.今回我々は,重症喘息発作にて紹介受診され,びまん性汎細気管支炎が疑われた妊婦に対して,内科的管理及び帝王切開術の周術管理に苦慮した症例を経験したので,妊娠の管理,その分娩方法について考察する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
252-252, 2001
|