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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
妊娠・分娩・産褥(9) 分娩後経口子宮収縮剤の服用に関する検討
菊地 信三, 大河 原聡, 望月 愛郎, 内野 直樹
社会保険相模野病院産婦人科
目的)分娩後の子宮収縮剤としてマレイン酸エルゴメトリン(以下M)が広く用いられているが最近ではその副作用に関する報告も多い.本研究おいてはMなどの子宮収縮剤服用が必要であるか,また弓帰調血飲(以下EK)がMに替わる子宮収縮剤として有効であるか否か検討する事を目的とした.方法および対象)平成13年1月より5月までに当母子センターで分娩し,研究方法の説明を行ない同意を得た初産婦31例,経産婦19例,計50例を対象とした.封筒法によりA.分娩後M3錠を4日間経口投与(M群初産婦22例,経産婦8例),B.EK2306.0gを4日かん経口投与(EK群初産婦4例,経産婦6例)C.経口収縮剤服用せず(自然群初産婦5例,経産婦5例)の3群に分け,産褥5日目に超音波断層法により子宮体部の縦横計測を行なった.結果)1.子宮体部測定の平均値はM群で132×83cm,EK群で133×80cm,自然群では140×86cmであった.2.自然群で子宮収縮不良のため収縮剤投与を必要とした症例は産褥5日で1例,1ヶ月検診の際に2例認めた.3.M群で不整脈,胸部不快感のため投与を中止した症例を2例認めた.結論)分娩後の経口子宮収縮剤は恐らく必要と思われ,弓帰調血飲の効果はマレイン酸エルゴメトリンと同等で,より安全に使用可能な薬剤と思われた.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
253-253, 2001
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