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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))

【一般演題】
胎児・新生児(1)
前回糖原病児を出産し,今回同様な臨床経過をたどった羊水過多の一例


齋藤 智子1), 横田 英巳1), 児玉 美央子2), 南雲 秀紀1), 福田 正樹1), 高橋 優四郎1), 野上 保治1), 山田 清彦3), 飯島 協子4), 五十嵐 正雄1)
群馬中央総合病院産婦人科1), 館林厚生病院産婦人科2), 群馬大学産婦人科3), 群馬県対がん協会産婦人科4)


 羊水過多を呈する疾患は胎児奇形,免疫不全,母体糖尿病など数多くあるがその中でも胎児糖原病(IV型)は非常に珍しい疾患であり臨床的報告も目にすることは少なく出生前診断は極めて困難である.糖原病(IV型)は常染色体劣性遺伝で3番染色体に異常があり,グリコーゲン合成酵素であるbranching enzyme(分岐鎖酵素)の欠損症である.臨床的にほとんどの症例は乳児期に発症する肝硬変を主体とし,通常5歳までに死亡する疾患である.今回我々は,前回と同様な臨床経過をたどった貴重な症例を経験したので報告する.症例は36歳,2妊2産,第1子正常,第2子は妊娠35週頃より羊水過多を呈し前医にて緊急帝王切開分娩となった.分娩後児は呼吸不全のため搬送されNICU管理となったが生後37時間で死亡となった.剖検および肝生検により糖原病(IV型)と診断された.今回の妊娠においても妊娠30週までは胎児発育に異常は認められなかったが,この頃より前回同様の羊水過多を認め妊娠31週5日切迫早産及び精査目的にて入院となった.入院後切迫早産の加療及び羊水穿刺を2回施行.胎児精査中,児は徐々に肺の低形成,肝腫大等を呈し始め,妊娠34週には胸腹水貯留が著名となったため,潜在性胎児仮死及び胎児水腫の診断にて小児科立会いのもと,妊娠34週6日,緊急帝王切開分娩にて女児,2544g,Apg2−4−5で出生となった.分娩後,直ちに挿管されNICUへ搬送となった.現在人工呼吸管理下にて胸腔ドレーンを設置,対症療法を施行中であり,児の状態を観察後,肝生検を含めた糖原病の精査が予定されている.


日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3) 255-255, 2001


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