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第102回学術集会(平成13年10月21日(日))
【一般演題】
胎児・新生児(1) 超音波断層法・Magnetic Resonance Imaging(MRI)を用いた先天性横隔膜ヘルニアの診断
須床 和恵, 小菅 陽子, 板倉 称, 杉村 基, 西口 富三, 住本 和博, 小林 隆夫, 金山 尚裕
浜松医科大学産婦人科
先天性横隔膜ヘルニアは,画像診断技術の向上により,出生前診断率は上昇しているが,治療成績は依然不良な疾患である.今回我々は,超音波断層法・MRIにより出生前診断した横隔膜ヘルニアを4例経験した.症例1:26才1経妊1経産.妊娠30週近医にて超音波断層法により横隔膜ヘルニアを疑われ,32週当院へ母体搬送.MRIでは,左胸腔に胃・小腸・脾が脱出,縦隔・心臓は右に偏位していた.36週帝王切開施行,2972g男児を分娩した.ECMOは使用せず,日令3でヘルニア根治術を施行した.症例2:28才1経妊1経産.妊娠16週近医にて超音波断層法により横隔膜ヘルニアを疑われ,31週羊水過多症を発症し,32週当院へ母体搬送.MRIでは,左胸腔に胃・腸管が認められ,左肺は確認できず,縦隔は右に偏位し右肺を圧迫していた.37週帝王切開施行,2338g女児を分娩した.児はECMO管理を要し,日令10頭蓋内出血のため死亡.症例3:32才3経妊1経産.妊娠27週近医にて超音波断層法により横隔膜ヘルニアを疑われ,34週当院へ母体搬送.MRIでは,左胸腔に胃・小腸が脱出,縦隔・心臓は右に偏位していた.38週帝王切開施行,2982g男児を分娩した.ECMOは使用せず,日令0でヘルニア根治術を施行した.症例4:36才5経妊1経産.妊娠32週羊水過多症のため近医より母体搬送される.超音波断層法・MRIにより横隔膜ヘルニアと診断される.左胸腔に小腸を認める.現在妊娠継続中である.以上の症例の概要および,診断と治療方針の決定について,若干の文献的考察を加え報告する.
日本産科婦人科学会関東連合地方部会会報, 38(3)
257-257, 2001
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